2019年10月06日

「太陽が落ちてきた〜すずなりの逸声」公演を終えて

準備に半年間、稽古に半年。漸く演劇祭でもある公演7ステージが終わった。
台風の直撃が危ぶまれた公演日もなんとか小雨程度で乗り切った。
今は残務処理に追われているが、まだ戦時中の、あの感覚が抜けきってはいない。
多分そういう感覚の役者は他にもいるだろう。

ゲネを観たとき内側から沸き立つものを感じた。
色々あったが、みんな、よくぞここまでついてきてくれたと感謝。
ナマでみんなに観せてやれないの本当に残念だ。

メッセージを発信し続けるというのはなんと難しいのか、と改めて思う。
ヒロシマ始め他県から駆けつけてくれた観客も多かった。
もっともっと、あちこちでやってほしいとの声々、本当に有難い。
しかし、どこでやるにしても手ごたえあるものにするためには期間がいる、多数の参加者の都合もある。
再演でも1からいや、ゼロからのスタートに変わりはない。

演出というか総監督である自分は公演をやろうと決意したときは、いつも一軒の家を建てる覚悟で臨む。
まず条件にあう土地を探し、イメージにあう家の設計をして予算を組む。予算に応じた資材を探し、腕の良い職人を選び、足場を組み、施工が始まる。土台や家枠ができたところで漸く各フロアに応じた人たちに内装を任せていく。内装は見た目が良いだけではダメだ、中身もしっかりしていないとすぐにボロがでる。
電気水道など一見わからないところの工事もぬかりなくやらないと家として機能しない。
想定外の追加工事もあれば、悪天で遅々として進まない時もある。
途中挫折しそうなほど辛いことも多いが、完成されると一生のうちでこれほどの達成感を持つとこはなかなかないのかもしれない。良い家であるほど人は来る。

多くの力の結集で、また一つ家を建てることができた。
posted by ユウカ at 07:21| 日記